
いびき対策に使われるマウスピースとは?
マウスピースの仕組みと効果
いびきを防ぐための方法として、最近注目されているのが「マウスピース(口腔内装置)」の活用です。特に、下あごが後方に下がって気道が狭くなるタイプのいびきには、高い効果を示すとされています。
いびき用マウスピースの基本的な仕組みは、就寝中に下あごをわずかに前方に出すことで、気道を広げて空気の通りを良くするというものです。これにより、空気の通り道が確保され、いびきの音の発生や睡眠中の呼吸停止を軽減することができます。
マウスピースはもともと、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の軽症〜中等症向け治療器具として医療現場でも使用されていますが、近年は一般向けの市販製品も増えてきており、ネットやドラッグストアで手軽に入手できるようになっています。
なぜいびきに効くのか?そのメカニズム
いびきの多くは、舌や軟口蓋(のどちんこ部分)が喉の奥に落ち込んで気道が狭くなることで、空気が通る際に粘膜が振動して音が出るという仕組みで起こります。特に、仰向けで寝ていると重力によって舌が落ち込みやすくなり、この現象が強まります。
マウスピースを使って下あごを少しだけ前に出すことで、舌が自然と前方に移動し、気道が確保されやすくなります。その結果、空気の流れがスムーズになり、いびきの原因となる振動や圧迫が軽減されるのです。
また、マウスピースは口呼吸を防ぎ、鼻呼吸を促す効果も期待されます。これにより、口呼吸由来のいびきや、喉の乾燥を防ぐという副次的なメリットも得られます。
市販のいびき用マウスピースは効果ある?
市販品と医療用の違い
市販のいびき用マウスピースは、ネット通販やドラッグストアで数千円程度から手軽に購入できるため、多くの人が「まずは試してみたい」と考える選択肢です。しかし、医療機関で処方される医療用マウスピースとの違いを理解しておくことが重要です。
項目 | 市販マウスピース | 医療用マウスピース |
---|---|---|
費用 | 数千円~1万円前後 | 約2万円~5万円(保険適用で1〜2万円程度) |
フィット感 | 自己調整(熱で成形) | 歯科医が個人の口腔に合わせて製作 |
効果 | 軽度のいびき対策向け | 睡眠時無呼吸症候群にも対応 |
保険適用 | なし | 医師の診断があれば適用あり |
リスク | 合わないと痛みや違和感 | 専門管理でリスク低減 |
市販品は「軽度のいびき対策」としての使用に適していますが、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」が疑われる場合は、必ず専門医による診断と医療用装置の使用が望ましいです。
実際に使った人の口コミ・体験談
市販マウスピースに対する利用者の声には、さまざまな意見があります。ポジティブな意見としては:
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「使い始めてから、いびきの音が小さくなったとパートナーに言われた」
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「口呼吸を防げるので、朝の喉の乾燥が減った」
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「歯ぎしりにも効果があり、一石二鳥だった」
一方で、ネガティブな意見もあります:
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「サイズが合わず、数回で使うのをやめた」
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「口に入れると違和感が強くて眠れない」
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「熱で成形してもうまくフィットしなかった」
つまり、市販マウスピースは効果がある人・ない人の差が大きいのが特徴です。自分に合うかどうかは、実際に試してみないと分からないという側面もあります。
このことからも、次のセクションで解説する「市販マウスピースの選び方」が非常に重要になってきます。
市販マウスピースの選び方
フィット感と調整機能の有無
市販のいびき用マウスピースを選ぶうえで最も重要なのがフィット感です。フィットしていないマウスピースは、装着時に不快感を与えたり、睡眠中に外れてしまったりして、十分な効果が得られません。
多くの市販マウスピースは「熱成型タイプ」になっており、以下のような手順で自分の歯型に合わせて調整できます:
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熱湯に数十秒浸す
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柔らかくなった本体を口に入れて噛む
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冷水で固めて歯型を固定する
この調整がうまくできるかどうかで、装着感と効果に大きな差が出ます。最初から調整済みの「ワンサイズ」タイプは手軽ですが、口腔サイズに合わない可能性があるため、フィット感重視なら成型タイプを選びましょう。
素材・形状・耐久性のチェックポイント
マウスピースは口の中に長時間入れるものなので、素材の安全性や耐久性も重要です。選ぶ際は以下の点に注意してください。
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素材がBPAフリー・医療用シリコンなどの安全性が高いもの
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硬すぎず、ある程度の柔軟性があるもの(硬いと歯や歯茎に負担)
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**2ピース構造(上下に分かれて調整可能)**なら、より微調整が可能
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繰り返し使える耐久性があるかどうかもチェック
また、収納ケースや清掃用ブラシが付属している製品は、衛生面での管理がしやすいというメリットもあります。
初心者におすすめのモデルの特徴
マウスピースを初めて使う人には、以下のような製品がおすすめです:
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熱成型で自分の歯型に合わせられるタイプ
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レビュー数が多く、評判の良い製品
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1週間以内の返品保証つきや、お試しセットがある製品
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柔らかめの素材で違和感が少ない設計
特に「いびき軽減」「鼻呼吸促進」と明記された製品は、機能に特化しており初心者にも扱いやすい傾向があります。
おすすめの市販マウスピース5選(2025年版)
いびき対策として手軽に始められる市販マウスピースですが、製品選びで効果に差が出るのも事実です。ここでは、価格・フィット感・口コミ評価などをもとに、2025年おすすめのマウスピースを5つ厳選してご紹介します。
製品名 | 特徴 | 価格帯 | 対応タイプ |
---|---|---|---|
【1】ブリーズマウスピースEX | 熱成型タイプ・初心者向け・柔らかい素材 | 約2,980円 | 軽度のいびき・口呼吸 |
【2】スリープスプリントライト | 医療級素材・収納ケース付き・フィット感◎ | 約3,480円 | 軽〜中程度のいびき |
【3】ナイトガードPro | 歯ぎしり対応兼用・やや硬めで安定感あり | 約2,500円 | いびき+歯ぎしり |
【4】快眠サポートデバイスAirGo | 上下分離型・微調整可能・装着感重視 | 約4,000円 | 鼻呼吸・顎の位置調整 |
【5】SASケア・ノーズクリアセット | マウスピース+鼻腔拡張のWセット | 約3,200円 | 鼻づまり・いびき対策 |
各製品の特徴詳細
① ブリーズマウスピースEX
初心者に最もおすすめ。柔らかい素材と熱成型タイプでフィット感が高く、口呼吸の改善にも効果的です。使い捨てではなく、洗って繰り返し使えます。
② スリープスプリントライト
やや高めながら、医療用に近い安心素材としっかりした成形機能が人気。レビュー評価も高く、リピーターが多い製品です。
③ ナイトガードPro
歯ぎしり対策も兼ねたハードタイプ。やや厚みがありますが、装着後の安定感が強く、ずれにくいのが特徴。
④ 快眠サポートデバイスAirGo
上下分離型で、口を軽く開けたままでも使える設計。顎位置の微調整も可能で、ある程度カスタムしたい中級者向け。
⑤ SASケア・ノーズクリアセット
マウスピースだけでなく、鼻づまり対策の鼻腔拡張テープもセット。鼻呼吸を促すことで、複合的ないびき対策ができます。
自分の悩みに合ったタイプを選ぶことで、市販品でも十分な効果が期待できます。
使用時の注意点と、効果が出ない場合の対策
使用上の注意(歯並び・違和感・使用時間など)
市販のマウスピースを使用する際には、いくつかの注意点を押さえておくことで、効果を最大限に引き出し、トラブルを防ぐことができます。
主な注意点:
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歯並びやかみ合わせに注意
歯列が極端にズレている、ブリッジ・矯正器具がある場合には、マウスピースがうまく装着できないことがあります。無理に使うと歯に負担がかかる恐れがあるため、歯科医に相談するのが安全です。 -
最初は短時間から慣らす
最初は違和感や軽い痛みを感じることがあります。いきなり一晩中使うのではなく、30分〜1時間程度から徐々に慣らしていくとよいでしょう。 -
清潔に保つ
口内に直接入れる器具なので、使用後は毎回水洗いし、週に数回は専用の洗浄剤で除菌するのが理想的です。カビや菌の繁殖を防ぎましょう。 -
マウスピースの寿命を把握する
市販のマウスピースは消耗品です。使用頻度にもよりますが、約3ヶ月〜半年を目安に新しいものに交換することが推奨されます。
改善が見られないときの対処法(病院受診の目安)
「マウスピースを使ってもいびきが改善しない」「そもそも合わずに使えない」と感じた場合は、以下のような可能性を考慮する必要があります。
こんな症状があれば医師の診断を:
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睡眠中に呼吸が止まるような気がする
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日中の強い眠気や集中力の低下がある
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マウスピースで顎が痛くなる、歯が動いてきた気がする
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いびきが非常に大きく、家族から頻繁に指摘される
これらの症状が当てはまる場合、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。
自己判断で対処し続けるのではなく、耳鼻咽喉科や睡眠外来で検査・診断を受けましょう。
病院では、医療用マウスピース(保険適用)やCPAP(シーパップ)装置など、症状に応じた専門的な治療が提案されます。
「市販マウスピースが効かない=もう無理」ではなく、次のステップとしての選択肢があることを知っておくと安心です。
まとめと参考記事
いびき対策として注目される「市販のマウスピース」は、手軽に始められるセルフケア手段として多くの人に選ばれています。特に、軽度ないびきや口呼吸が原因の場合には、一定の効果が期待できる製品も多く存在します。
しかしながら、マウスピースの効果は個人差が大きく、フィット感や形状、使用方法によって成果が分かれる点も忘れてはいけません。選び方のポイントとしては、フィット感・素材の安全性・形状の調整機能をしっかり確認することが重要です。
また、改善が見られない場合には、睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの疾患が背景にある可能性も考慮すべきです。その場合は、市販品にこだわらず、医師の診断を受けることが最善の対策になります。
自分の体に合った方法を見つけて、快適な睡眠と健康的な生活を手に入れましょう。
参考記事
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睡眠時無呼吸症候群とは|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187981.html -
マウスピースによるいびき治療|日本睡眠学会
https://www.jssr.jp/data/pdf/sleep_apnea.pdf -
いびきがひどいときの受診先は?|みみ・はな・のど情報サイト
https://www.jibika.or.jp/citizens/disease/ibiki.html -
いびき防止マウスピースの選び方とおすすめ商品|ナイトウェルネス情報局
https://nightwell.jp/sleep/snore-mouthpiece/